結婚

数ヶ月前、あゆみが結婚した事を知ったのもタキからのLINEだった。 俺は22歳で結婚して、今年で10歳になる息子もいる。順風満帆とは言わないまでも、なんとかここまで生きてきて、それなりに人生を謳歌してきた。 けどやっぱり、俺にとってのあゆみの存在は…

友達カップル

うらぴーとカオが付き合いだした事を知った時、身体の上から下に走る電気のような感覚を今でも覚えている。 “おめでとう”だったり、”裏では事が進んでたんだなニヤニヤ”だったり、”これは...俺も自分の恋愛を進める原動力にも...?”だったり、色々な感情が一…

ジョリパ

シティプーからちょっとした丘の上に建てられた施設で、そこに伸びる長い階段を下るとジョリーパスタがあった。 バイトをしない高校生でも少し背伸びすれば週一程で通える金額設定のファミレスだ。 N街フレンズの中でも一番仲良くなった男マーキーはチョイ悪…

シアトル

Seattle’s Best Coffeeがシティプー施設内に出来たのは、僕達が図書館に入り浸るようになってわりとスグのことだった。 それ以来、僕達のダベリ場は勉強ブースから徐々にシアトルへ移っていった。 店内には小さなテーブルと座り心地の良過ぎるソファがいくつ…

タキとの長電話

Aの事で悩む俺を見て楽しむかのように、タキはいつ何時でも俺の話す言葉一つ一つに親身に耳を傾けてくれた。 タキとの長電話は長い場合、翌朝まで続いた。 カーテンの隙間から覗く太陽に気付いてようやく眠りにつく。そんな日々が続いた夏休み。 片思いマジ…

タキから始まった

N町であゆみと一番仲の良かったタキが時々シティプに来るようになった。 タキはN町の景観にそぐわないギャルだった。 逆にそれが新鮮で、生物実験のクラスの時のような興味が湧いた。 見た目とは裏腹に、話してみるとやっぱりN町ガールだな、という印象を受…

シティプーメンバー

次第にそう呼ぶようになっていた。 T高からは俺含め5人、N町は10人程の常連メンバーに加え、時々図書館に立ち寄るような顔見知りもそれぞれ5人ずつ程いた。 他愛のない話をする時間の為に、どれだけ勉強時間を削っただろう。「今日の分はもう終わったから」…

惹かれる瞬間

なんてものはなくて、むしろ気付いた頃には目で追ってしまってた。 けど携帯番号を交換したのはまだまだ先の話。 シティプ図書館へ行く理由はあくまで受験勉強だ。お互い図書館やシティプ施設内の勉強ブースに居たとしても、普段は挨拶を交わす程度。 T高、N…

サヤカとの生活

その日から俺はサヤカに夢中だった。 艶麗な年上のお姉さん、その人がいる世界に飛び込みたくて夢中だったのかも知れない。 サヤカと愛瀬を重ねる度、自分は同世代の誰よりも大人になった気分だった。 高3の春、教室内は受験ムードが漂い始めた。にも関わら…

サヤカとの出会い

N町ガールズと出会った頃、俺には曖昧な関係の女の子がいた。 名前はサヤカ、6歳年上のミナミで働くキャバ嬢だった。 当時17歳だった自分にとって、20代の人達は社会の中で生きてる別世界の人間だった。 進学校のT高は、部活を高2の冬で引退する制度になって…

あゆみの彼氏

あゆみに彼氏がいる事を知ったのは、随分後のことだった。 ちょうど、自分はあゆみの事が好きなのかもしれない、と気付き始めた頃だったと思う。 おしとやかなあゆみの彼氏は、意外にも地元では一目置かれた不良のくっちゃんだった。 はじめは意外過ぎて、あ…

言葉を交わした日

キッカケは覚えてない。 けど、奥手な俺のことだ。きっとU達の会話の波に便乗したんだろう。 この出会いが、今後の俺の人生を劇的に突き動かすなんて微塵も思わなかった。 そりゃそうよ、友達が数人増えた、ただそれだけの事だったんだから。 男子校だった我…

キッカケ

ピュアな高校生だった俺は、「女子とのメールは質問系で終われ」だの「相手から話題を引き出せ」とかいうPOPEYEでよくコラムにされてそうな格言を常に頭の隅に常備させていた。 時々こうして過去の自分を振り返ってみると、やっぱり青くて。 その日も、いつ…

シティプ

想い出 シティプラザ(シティプー) に併設された図書館での出逢いが全ての始まり。 受験勉強仲間のクラスメイト、うらぴーとふじぴょんがその子達と繋がった所からT高校フレンズとN町ガールズの短いお話は始まる。 パリピ気取りの奥手男子、はじめは挨拶程度…