タキとの長電話

Aの事で悩む俺を見て楽しむかのように、タキはいつ何時でも俺の話す言葉一つ一つに親身に耳を傾けてくれた。

タキとの長電話は長い場合、翌朝まで続いた。

カーテンの隙間から覗く太陽に気付いてようやく眠りにつく。そんな日々が続いた夏休み。

片思いマジックと呼ばれるこの現象に俺は飲み込まれていた。

夏の間は学校が無い為に、シティプーへ行く手段に限りがあった。一番手っ取り早かったのは、母親に勉強する名目で送迎を頼むこと。

ただこれをする事で、恋心と共に小さな罪悪感もついてくるのだった。