シアトル

Seattle’s Best Coffeeがシティプー施設内に出来たのは、僕達が図書館に入り浸るようになってわりとスグのことだった。

 

それ以来、僕達のダベリ場は勉強ブースから徐々にシアトルへ移っていった。

店内には小さなテーブルと座り心地の良過ぎるソファがいくつかあるだけで、勉強が捗る余地など皆無だった。

僕達は高校3年の放課後の大部分をここで過ごすこととなり、シティプーメンバー内で第一志望の大学に受かったのはおそらくゼロだっただろう。

別の大学に行けば今と違う人生が待っていたのも当然だが、それに変えても当時のあの時間は僕にとってかけがえのない大切な宝物となっている。