惹かれる瞬間

なんてものはなくて、むしろ気付いた頃には目で追ってしまってた。

 

けど携帯番号を交換したのはまだまだ先の話。

シティプ図書館へ行く理由はあくまで受験勉強だ。お互い図書館やシティプ施設内の勉強ブースに居たとしても、普段は挨拶を交わす程度。

T高、N町どちらかがキッカケを作ってようやく談話が始まる、そんな距離の友好関係だった。

 

N町は田舎町。地元に高校はなく、皆別々の高校へ電車や原チャで通っていた。それでも地域愛が強いのか、放課後は多くのN町出身の学生がシティプに集まって勉強していた。(最寄り駅がそこにある、という点も拍車を掛けて)

そういう光景ひとつ見ても、やはりN町の子達は純粋で、自分のようにキャバ嬢に入れ込むような学生とは何かが違った。