シティプーメンバー

次第にそう呼ぶようになっていた。

T高からは俺含め5人、N町は10人程の常連メンバーに加え、時々図書館に立ち寄るような顔見知りもそれぞれ5人ずつ程いた。

他愛のない話をする時間の為に、どれだけ勉強時間を削っただろう。「今日の分はもう終わったから」そんな言い訳を作っては自分を無理矢理納得させてはN町ガールズとのお喋りを楽しんだ。

しばらく時が経つと、雑談場所は勉強ブースからカフェへと移っていった。

いよいよ勉強から皆離れていってしまった。

 

「後悔」に関して言えば、何とも言えない。

後にあゆみと過ごした、自分の人生に大きな変化をもたらしてくれた時間を思うと掛け替えのないものを得たんだと感じる。

と同時に、今こうして過去を振り返った時に別の人生を歩んでいたであろう自分を思うと、天秤には掛けられないモヤモヤした気持ちもある。

 

これを記すようになったキッカケをくれたその人は、会ったことも無ければ声を聞いたこともない人。けどその人のおかげで今こうして過去の気持ちを整理する事が出来ている。